cinema

アングスト/不安

アングスト/不安 を観に行きました。

本物の《異常》が今、放たれる。後悔してももう遅い。

期待度

★★★★★(5/5)

満足度

★★★★★(5/5)

また観たい

★★★★★(5/5)

感想

ギャスパー・ノエが60回観たというアングストを観に行きました。
1980年にオーストリアで実際に起こったヴェルナー・クニーセクによる大量殺人事件を描いた作品で、公開当時は上映打ち切り・ビデオも発売禁止になったという問題作ですが、残虐な殺人事件にある意味“慣れて”しまった今観ても、終始陰鬱で冷酷な描き方がされていることはわかりました。なのに最後に残る後味は、恐怖や不安ではなく悲哀や虚無。

惨殺事件を見るたびに、エロスとタナトスはいつも表裏一体で、欲動は環境要因の積み重ねによって抑制されるものなんだなあと思います。

そして出てくる人の顔が全部こわい。基本的にみんな目剥いてる。顔で怖がらせる映画です。
もみ合いシーンはもうめちゃくちゃで、理性の箍が外れると人間こんな動きになるんだろうな…という演技の数々が逆にリアルでこわさを助長していました。

落ち込んだ時にまた観たい、無になれる映画でした。

印象的なシーン

人が食事する口元が苦手なのですがそれをまざまざと見せつけられて不快感を煽られました。
しかしカメラワークも音楽の使い方もよかった。特に音楽は80年代の前衛っぽくて終始緊張感が漲っていました。
あと犬の使い方が最高によかったです。

備考・グッズなど

パンフレットを買いました。

この顔見たら110番

KBCにて。